【レポート】「ユーザー」が「ファン」に変わる。グローバル企業のCS/UX – CS HACK #06

【レポート】「ユーザー」が「ファン」に変わる。グローバル企業のCS/UX – CS HACK #06

Clock Icon2017.09.05

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちは。アプリの運用を担当していますkobayashiです。 カスタマーサポートを愛してやまない人達が集まり、「CS」を徹底的にハックするCS HACKに参加してきました。今回は「グローバル企業におけるCS/UXについて色々な事例を元に、ベンチャーがその事例をどう活かせるのか」をお話頂けるとのこと。当日の様子をレポートします。

イベントの概要

CS HACK とは? 世の中には多くのサービス、製品があります。そして同じ数だけカスタマーサポートが存在します。このイベントではカスタマーサポートを愛してやまない人達が集まり、情報交換やディスカッションを通じて「CS」を徹底的にハックします。 ※CSにはCustomerExperienceCustomerServiceCustomerSuccessCommunityManagerUXデザイナー、UIデザイナー等のコミュニケーションが主となる職種を全て含みます。

CS」をハックし深く知ることで"再現性"を高め「どんなサービスであっても最高のCS対応」が出来る世界を目指します。「CS」は素晴らしい仕事だということを広め、業界を盛り上げていくためぜひご参加ください!詳しくはグループ詳細をご覧ください。

ちなみに"個人"で開催しています!ここ大事!

会場は「DIAGONAL RUN TOKYO(ダイアゴナル ラン トウキョウ)」でした。芝生?に座って聞くスタイルです。主催者は"CSに狂っている男"こと日本で唯一の「カスタマーサポート エバンジェリスト」である藤本大輔さん。会場は70人くらいいたのではないでしょうか。満員でした。

タイムテーブルは以下の通りです。

時間 内容
19:00~19:30 開場
19:30~ 主催者紹介&乾杯
19:35~ 懇親会(アイスブレイクタイム)
19:55~ 日本コンセントリクス 様
20:20~ Zendesk様
20:45~ 懇親会
21:30~ 集合写真&終了

イベント詳細

「ファンになって頂くためにCSがするべきこと」日本コンセントリクス 松野 克彦様

会社紹介

  • CONCENTRIX=世界シェア第5位のアウトソーサー。ビッグネームのクライアント多数
  • 日本のコールセンター・アウトソーサーとの違い
    • 日本企業=気合い、根性、人海戦術
    • CONCENTRIX=CSAT(顧客満足)とCXを高める仕組みがある

ファンになってもらうためにやること

  • アイドルグループは熱心なファンの支えで成立。
  • 企業は顧客の支えで成立。だからこそ熱心な顧客(=ファン)が必要。
  • 良い体験を何度も繰り返し提供することで、顧客エンゲージメント向上

日本企業と米国企業のCSの違い

  • 日本企業=CSATとNPS向上はコストと捉えられることが多い
  • 米国企業=CSATとNPS向上は投資(お客様がまた戻ってくるから)
  • CSAT、NPSを投資と捉えている企業はお客様の声が経営に通っている
  • CSAT、NPSをコストと捉えている企業は経営陣が顧客の声を聞かない

   →CBS(Customer Block Service)になっていないか?

    →これではCSの存在意義がない

CSAT、NPSを捉えている企業に伝わるCS伝説紹介

1.吹雪のクリスマスイブのお話

2.PCが壊れて卒論が出せなくなった

3.一年前に購入した本が乱丁本だった

※いずれも大事なCSATを守っている

 

お客様がどうやって製品やサービスを選ぶか、その基準は実はバラバラ

一番ソリッドな基準は信頼

 

ファンになって頂くためにCSが取り組んでいること

  •  普通の企業=要望に応える
  •  CSATが高い企業=潜在的要望を探し、掘り下げ、マーケティングを行う

CSの姿勢

  •  Customer Block Service=問合せを「捌く」
  •  Customer Service=良い体験を提供する。お客様を導く(Customer Journey)
  •  コミュニケーションの組み立て方

1.ご挨拶

2.共感を示す

3.ゴールの擦り合わせをする(同意を得る)

4.状況の確認

5.解決の提供

6.終話

  • 改善プロセス
    • 失敗経験を潰す
    • お客様満足度調査を必ず行う(実は実施していない企業が多すぎる)
    • 該当するインシデントログ確認
    • 不満要素の特定
      • コミュニケーションのギャップを明らかにする
    • 該当のエージェントへフィードバック
    • 改善状況評価からフィードバック
    • スピードが大事
    • CSATが高い会社は1日で問題を解決する
  • Voice of Customer
    • こんなのが多かった、では不十分
    • お客様の声から潜在的要望を発掘
    • 潜在的要望に応える商品開発
      • なぜ?を繰り返す
      • 需要を生み出せるか?
      • マーケティングを考える
  • これからCSが目指す姿は?
    • 今まで
      • 釣った魚に餌はやらない
      • AIの活用=Chat Botに偏りすぎ
      • 閉鎖的、形式的
    • これから
      • 釣った魚をちゃんと育てる
      • AIはもっともっと分析に活用しよう!
      • お客様対応のビヘイビアはフレンドリー&ちょっとエモーショナルに

 

「Japan StyleのCSをZendeskで!!」Zendesk 原田 豪様

  • Zendeskのお客様の特徴
    • スタートアップ企業
    • 大手企業の部門採用
    • 5~10人くらいから始められる手軽さ
  • 東芝の問い合わせ問題からCSの傾向が変わった
    • 当時はカスタマーサポート部門が無かった
    • 技術者の質問は技術者へ
    • トレーニングしてない人につないでしまっていた
    • 結果、言われたものに対して言い返してしまった
    • 直接話をさせるのではなくカスタマーサポート部門が対応するように
  • 問い合わせの対応は時間がかかるとよく言われる
  • Call Per CostをKPIにする前に
    • お客さんが聞きたいことをオープンにしているか
      • FAQなどの充実
    • 聞かれたことに答えているか
      • お客様の問題解決をしているか
  • 共感と満足を得ることで顧客は満足する
  • 顧客コミュニケーションの現在
    • ショートタームな文でのコミュニケーションを重ねて会話の結論を導く
      • LINEなどのチャット方式コミュニケーションが主流
    • お客様は、「わかってるでしょ」という前提でコミュニケーションをしてくる
  • コミュニケーションのポイント
    • 75点のコミュニケーション
      • 素早く
      • それなり
      • 選択肢
      • 会話を止めない
  • Zendeskを決めたお客様の理由変遷
    • 安いじゃん
      • とりあえずサポートができれば十分だよね
    • 想像以上に使えるじゃん
      • 特定の単語をトリガにしてオートリプライもできる
    • バンバン連携してガンガン使い倒したい
      • APIサービスを使いこなす
  • SCOOT社 電気スクーターのレンタルサービスの例
    • Welcomeメールを送る
    • 乗り方などのトレーニングをSMSやメールなどで推奨
    • アプリなどで困ったことはないか確認
    • さらなる搭乗を進める
    • これらをZendeskのサービスを使いこなして行なっている

Q.フレッシュデスクとZendeskの違いは?

A.サポートが日本語でできるかどうか、Zendeskは日本にエバンジェリストがいる。サポート単体の値段は変わらない、製品群はZendeskの方が充実していると思う。

感想

コミュニケーション自体のあり方が細かく早くなっている以上、エンドユーザーとのコミュニケーションのあり方を考え直す必要があると感じました。

メールの対応だと状況確認と指示が一緒の文面に入り、エンドユーザーを混乱させてしまうことがあります。手段を変えるか、コミュニケーションの内容を変えるか、いずれにせよこれまでの返答内容を見直してみようと思いました。今後の主流はチャットになるのでしょうか。人員の確保やどう質を保つのかなど、気になるのでチェックして行こうと思います。

また、エンドユーザーが問い合わせをする前に問題の解決ができる状況にするのも大事ですよね。モバイルアプリのCSでは、FAQの見直し、問い合わせの自動返信にFAQのURLを付ける、簡単にトラブルシューティングできるバックグラウンド削除方法は自動返信文面に入れる、などの工夫をしています。なぜ問い合わせが来るのか、という観点から、CSの在り方を考え直すきっかけになるセミナーでした。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.